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リレーエッセイ① シニアが働く目的
第1回投稿者:おかやまシニア就業サポートデスク 相談員 徳田さん
シニアの就職相談員の仕事に就いて概ね5年を迎えようとしています。これまでに55歳以上のシニアの求職者550人余りの「働きたい」の実現に向けて就職支援に取り組んでまいりました。シニアの働く目的は様々ですが、一般的なシニアの働く目的としては、「生活維持のためにお金が必要」や「セカンドライフを少し豊かにしたい」などの回答が最も多いようです。また「時間を持て余している」、健康や認知症予防など「健康維持のために」、他にも社会への参加や人の役に立ちたいなど「社会貢献」、「資格や経験を活かしたい」などもあげられています。
就業相談の中で、「いくら応募しても採用にならない」や「心が折れてしまった」、「もう働くことを諦めた」などの相談もよく聞く事があります。50代後半から正社員の比率が下がり始めて、65歳になると半分以下に下がってしまうとの調査もあるようですが、定年を境に事務職や専門的、技術的、管理的職業が減少していき、デスクワークから現場職などへ職種がシフトしていくことにより職種が多様化する一方で、希望職種や経験職種と求人の職種のギャップも発生しています。
私自身も定年を前に早期退職の道を選択し、約一年近く就職活動に取り組みましたが、いくら応募しても全く採用にならなかった苦い経験を持っています。自分が考える年齢や経験、資格などと事業所が考える求職者に対する年齢や職種、経験などの「採用者のイメージ」に大きなギャップがあった事がその原因として考えられます。シニアの多くが経験する「年齢の壁」と言われるものです。シニアの求職者と事業所が希望する「人物像」が一致した時にこそ「採用」を勝ち取ることができるのです。私の場合は、採用担当者が職務経歴書に記載した担当業務の内容から派生する、私自身が気付いていなかった求人職種に関する「必要な経験」を読み取ってくれた結果が採用に繋がったと考えています。私のこの「人生の大きな岐路」となった就職活動の経験は、学生の就職支援や現職のシニアの就職支援業務(マッチング)に活かされています。
またシニアの働き方として、精神的、肉体的に過度に体に負担がかかる仕事は避けたいや、通勤時間はできるだけ短く、人間関係や職場環境など就業環境の良い所で働きたいなどを希望される求職者は少なくありません。一般的に年を重ねるに従い全身的な能力や体力が下がってくることが考えられます。それぞれの求職者が無理のない仕事に就き働けることが当初に掲げた「シニアが働く目的」を達成するための目標になると考えています。オンとオフの生活を上手く切り替えながら、健康的な「シニアのセカンドライフ」を楽しみたいと願っています。