お知らせ
リレーエッセイ⑤
____おかやまシニア就業サポートデスクの紹介で再就職___
58歳 男性
おかやまシニア就業サポートデスクの紹介で今春、岡山市内のB型就労支援施設に再就職できました。初となる福祉分野の仕事で、人生再チャレンジに臨んでおります。
まず、就職に至るまでのサポートデスクの他よりも踏み込んだ対応に感心しました。私はその以前から他の就労相談・斡旋のサービス機関にも登録をしておりましたが、大概がこちらが望む職種や条件に近い情報をハローワークの求人案内から知らせてもらう―というやり方でした。結果的に成就はしませんでしたが、まめに連絡をくださり、親身に話を聞いていただいた相談員さんもいて、それはそれで大変お世話になったと感謝しております。
サポートデスクは後から存在を知り、登録をさせてもらったのですが、前述の「踏み込んだ」という部分は、普段からシニア層雇用に理解のある事業所とネットワークを構築していたのが第一点。そして相談員さんが、そうした事業所の責任者、または採用担当者の方と直接のコネクションを有し、その人となりも把握している部分も心強かったです。
面談や電話でのやりとりで私の人物像を知ったうえで、事業所側に私を売り込んでくださり、これは助かりました。それ以前にも他の福祉施設にエントリーしましたが、私の年齢や乏しい学歴、業界未経験、関連の資格もなし―のため、書類審査でまず門前払いにされていた感がありましたから。
こうしたお膳立てもあって現職場には安心して事前の見学ができました。見知らぬ事業所を訪ねるというのは、本来なら身構えたりもしますが、そうした不安も幾分緩和されたのは確かです。私は経歴等に引け目があるのですが、お会いした施設責任者は意に介さず「最も大切なのは、今現在のやる気ですよ」と勇気付けてくれました。さすがはサポートデスクが推すだけの事業所だとも思いました。
ところで過去の私ですが、いわゆる「紙媒体」の世界で社会人としての大部分を歩んできました。しかし、ネット普及で紙印刷の書物は年々先細りに。最初に勤めた地場企業は廃業、運良く移れた全国企業の岡山支局は撤退と、いずれも意に反しての退職を余儀なくされました。以後、これまでの経験が生きる再就職先を探しましたが、やはり斜陽の業界なのかこれという求人はなく、こんな自分でも何とかこなせそうな業務が他にないか、できれば何か社会に還元できる業種で―と模索した結果、就労支援施設も選択肢に加えました。
福祉分野に特別の関心があったというより、温かなふれあいを得られると思った気持ちの方が強かったでしょうか。重度の障害を持つ人の生活支援には素人として壁を感じますが、軽度障害の利用者さんたちと和気あいあいと働けるというのは大きな魅力と映りました。当初、正規職員でないことに抵抗感もありましたが、50歳代後半にしてそこに固執すると〝トンネルの出口〟がいつになるのか見込めず、「であれば実のありそうなところで」とサポートデスクから助言され決意した次第であります。非正規ながら賞与も年間に2カ月分出ますし。
実際に勤めて思い通りの景色は見えました。職業指導員という役割ながら、不器用ゆえ逆に利用者さんから教わることもありますが、多くの方が純真で、人として可愛らしいのです。少し「狎(な)れ」も出てか雇用体系に葛藤を感じることもありますが、そこは割り切るしかありません。浪人中の惨めな記憶を良い意味で思い出し、「ぜいたくを言っている場合ではない」と自らを戒め、片道1時間弱の通勤を日々,気張りながら続けております。多少でも現職場の繁栄に貢献ができ、サポートデスクにも良い報告ができれば何よりであります。