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リレーエッセイ⑧
新しい仕事との出会い
64歳 男性
無関心では済まされない「親の介護問題」。私の場合特に悩ましかったのが、親の介護と仕事との両立です。周囲には「介護のために仕事を辞めた人の多くが後悔している」、「一度離職をすれば二度と同じ給料はもらえない」と説得されましたが、気力や体力がもたないという思いで介護離職を選びました。
しばらくすると懸案の介護は、地域の包括支援センターなどのサポートを受けるなど体制を整えることで、時間拘束とプレッシャーから解放されます。その後は田舎暮らしと失業生活を満喫していましたが、刺激の少ない生活への不安と妻のゴロゴロしている私への視線の冷たさを自覚し始めます。やはり自己表現の場としての仕事は、収入も得られ一石二鳥と再就職を決断しました。
この頃は暇がありましたので、セカンドキャリアを考えるため沢山の本を読み、いろんな人に話を聞いてみました。その中の一人がシニア就業サポートデスクの相談員です。キャリア相談は話を聴く仕事だと考えていたのですが、徳田相談員は沢山話されます。私が「私には何の仕事がいいですかね!?」という妙な問いかけにお困りになられたせいかもしれませんが・・・。
良いお酒は軒酔い(スッと水のように飲め、お店の軒を出るまで酔わない)、さらに特別なお酒は家酔い(家に帰るまで酔わない)という話を新潟の酒蔵で聞いたことがあります。振り返ると徳田相談員との面談はまさにそんな出会いでした。アドバイスや考え方に思いを馳せることで、新しい仕事ができることへの期待感が持てるようになりました。
文章にすると考えが整理され、人と話すと視点や考えが広がります。再就職をお考えの方は一度話しに行かれてみることをお勧めします。
ちなみに現在は、当時まったく考えていなかったキャリアコンサルタントの仕事を選び、相談員徳田さんの前の席で相談者のキャリア支援をする仕事に就いています。
「人生終わりよければ全てよし」、少しでもめりはりのある生活を送って、時には錐で穴を穿つような気迫や経験をうまく自分自身から引き出して、頑張ってみようではありませんか。