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リレーエッセイ⑨ 「私にとっての仕事」
もうすぐ73歳になる女性です。
最近まで退職することを本気で考えていました。現在、パート勤務していますが体力の衰えや、ほかにもっとふさわしい人がいるのでは・・・等々で。
そういった時に徳田さんより、「リレーエッセイ」へ寄稿のお話がありました。瞬時にお断りもできず、逆にそれがきっかけでじっくり振り返る機会を得ました。
私は50歳過ぎくらいまでは、ほぼ専業主婦で子供の教育費が嵩み始めた頃より生活費の足しにと複数のアルバイト、派遣での短期就労などいくつか経験をしました。子供が独立した頃、今度は代
わって夫が体調不良により定年を待たず退職を余儀なくされ、私が働かなければならなくなりました。
懸命に仕事を探す日々が続きましたが、年齢、スキルや経験不足などで応募しても不採用ばかりでした。その状況下、短期アルバイトで広報のお手伝いをした資格専門校よりパートで「広報活動」をしないか、とお話しをいただき、すぐ「よろしくお願いします。」と引き受けました。「できる・できない」を考えるより、声をかけてもらったからにはできるようにならなければ、と前向きの考えで引き受けた次第です。そこで「キャリア・コンサルタント」という資格があることを知り、今後のために資格取得をしました。
そちらでの仕事は3年ほどで終了しましたので、また仕事探しが始まりました。応募できる条件の求人は職種に関係なく何件も応募する中、運よく「キャリア・コンサルタント」の資格が生かせる現職へ採用になりました。資格はあるものの未経験でしたが専業主婦歴といくつかの勤務経験をあわせた人生経験を評価していただけた事、と複数採用だった事が幸運だったと思っています。
そんな中、コロナ禍の2年前に、夫の癌発病があり、入院・手術と数か月にわたり複数の病院へ通う日々が続きました。その頃は本人との面会も規制されて不安な日々を過ごしていました。でも仕事をする日常は変わりません。むしろそれに集中することにより私自身の不安が軽減され安定した日常が送れたことを感謝しています。夫の体調も小康を得て従来の平穏な二人住まいの生活が戻っている現在です。
「仕事」というものは人それぞれ、その折々でその在り方が異なります。少なくても今の私にとっては「生活のひとこま」です。その限りある時間を大切にしたいと痛感しました。結果、続けることができるならもう少し頑張ってみたい、と前向きに思うようになった現在です。
この機会を与えてくださった徳田さんには感謝いたします。
ありがとうございました。
以上